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次は司法書士とるぞ! おかげさまで行政書士試験は突破できました2020!交通安全アドバイザーのhigashiです。

通報義務・救護義務

東浦です。

以前に二輪車との事故の項目で取り上げたかもしれませんが、今日は通報義務・救護義務のお話です。

​第七十二条 交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に​当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。​​
​条文​としてはこれですね。道交法72条。ざっくり言うと、同条でいう交通事故が発生したら必ず警察に報告しなければいけません、という条文です。実際的には警察官のいる場所に報せに行くのではなく、現場からの110通報が義務づけられているのと同義です。法律自体は携帯電話を前提としていないので、まあこのあたりは当然に、現代社会に向けて調整される部分です。この義務に違反すると、罰則規定を定めている同法百十九条の十に明文規定があり、罰則が科せられます。(三カ月以下懲役又は五万円以下の罰金)また、刑事罰の他、免許の点数にも影響します。もし事故相手が負傷していて、報告義務違反を果たさずに現場を離れてしまった場合、​救護義務違反が成立すればそれだけでも免許の点数35点です。それだけ重い罪になることを絶対に忘れてはなりません。​

○状況によって発生しうるケース
・相手が運送車両等で、そのまま立ち去ってしまった

​デリバリー車両やウーバーイーツ等のパターンが多いですが、何せ急いでいるため、相手がそのまま走り去ってしまったケースです。双方ともに過失を有する事故においては双方に報告義務が課されますが、相手がそのまま行ってしまったので、自分自身も「じゃあいいのか...」とその場を立ち去りたくなります。しかし、必ず自分は通報を行いましょう。そうすることで、少なくとも自身の通報義務は満たされますので、後で相手が通報してきても変に不利になることなく事故対応を進めることが出来ます。逆に、相手が立ち去ったから自身も立ち去り、相手が後から通報したというケースにおいては、事故状況にもよりますが相当に不利になります。​

・相手が子供の自転車

​親に怒られる、と思ってその場から逃げてしまう子供も少なくありません。このケースでは、子供の小さな負傷を発見した親が事後通報することが多いです。運転者側は、現場を離れずに必ず通報しましょう。相手の子供を無理に追いかける必要はありません。通報しておけば、相手が事後通報した場合にそこから事故処理対応になります。相手が通報しなければ自身の免許にも影響が出ずラッキー、という発想になりがちですが、何はともあれ、事故発生は覆すことの出来ない事実です。真摯に、適切な対応をとらないと自身が足元をすくわれることになります。​

・相手が負傷したので自身で搬送

​​一番やってはいけないやつです。運転者は善意ですが、交差点で例えば歩行者と接触したケースで、歩行者が比較的大きな負傷をした。とにかく事故処理は後にして、近くに大きな病院があるから、と自身の車に乗せて勝手に搬送をしてしまうというパターン。最悪です。「後でも事故処理は出来ると思った」という言い訳とセットになりそうですが、余計な事考えずに110、119をして現場で可能な応急救護をするのが正しい誠意です

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幾つかの例を挙げましたが、全て実話です。このような形態で無駄に免許を傷つける、無駄に事故をこじらせる運転者に、運転者たる資格はありません。凶器たりうる車を運転する以上、事故などのトラブル発生時に適切な対応をすることは義務です。

今日は通報義務・救護義務について取り上げました。一日、安全運転でお願いいたします。雨降りの日は二輪車の動向に要注意!
東浦でした。​

 

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