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次は司法書士とるぞ! おかげさまで行政書士試験は突破できました2020!交通安全アドバイザーのhigashiです。

自賠責保険の被害者請求②

東浦です。前回は自賠責保険の被害者保険について、その概要を取り上げました。今回は、実際に作成した自賠責保険請求書を元にその書き方等を取り上げます。


全体像はこんな感じですが、少し分かりづらいかと思いますので、各部をアップにします。




​こちらが、用紙の上部分、請求者についての項目です。こちらはそれほど難しい項目はありません。住所、氏名、電話番号を記入するだけです。印鑑は必ず「実印」です。添付する印鑑証明と同じものを必ず押印してください。​



今度は中段部分、その自賠責保険って誰の? 等を記入するところです。左上から順番に見ていきます。

自賠責保険証明書番号
請求する自賠責保険の証明書番号です。事故証明書に記載されていますので、間違いなく、相手の自賠責保険の番号を書き入れます。
○保険契約者 / 所有者・使用車 / 加害運転者 / 被害運転者
当該自賠責保険の契約者を記入します。個人使用の車だと、契約者=使用者=加害者のような形になることも珍しくはありませんが、例えば、社用車で従業員が交通事故を起こしたようなケースではそれぞれに書き込む内容が異なる場合があります。今回の例では、乙川 花子さんが自賠責保険を契約し車の所有者(又は使用者 オートローン等で所有権留保されている場合等)で、交通事故を起こしたのは乙川二郎さん(25)ということにしてみました。息子さんが事故を起こしちゃったみたいなケースだと思ってください。

​請求額ですが、ここは、分かるなら書いてください。分からなければ、書かなくても平気です自賠責保険は保険会社から、自賠責調査事務所という第三者機関に回送されて書類の調査等が行われます。そこで金額がおかしければ修正したり、減額要因があれば減額したりします。立て替えた治療費+慰謝料なら計算も簡単ですが、休業損害や交通費等、計算がよく分からないケースもあるかと思いますので、そういったケースでは空欄のままで問題ありません。(問い合わせが電話等で入る場合もありますので、その場合は、ありのまま、金額がはっきり分からなかったのでそのまま送った、と伝えれば大丈夫です) そのうちに運用が変わるかもしれませんが、交通事故の専門家でもなければ何がいくらか、や何処まで請求出来るのかなんてなかなか分かりませんから、自賠責側もかなり柔軟に対応してくれています。​



​ここは、保険金を振り込んでもらう口座を記入するところです。治療費以外を振り込んでもらうという選択肢がありますが、ここは、自分で治療費を立替ている場合においては使いません。病院を言わばツケのような形で見てもらって自賠責から直接病院に振り込んでもらうような方法をとる時に使用しますが、例えば手術等が生じて立替が困難という特段の事情でもなければ、なかなか生じないパターンです。少しマニアックな、というかかなり実務的な部分になると、被害者請求ではなく、加害者請求において、自賠責で事故との因果関係を認めたがらないような治療、例えば歯科や皮膚の傷跡に対する美容皮膚科的な治療を事故相手が受診してしまった。その費用について加害者側が負担した場合に自賠責で回収出来るかが疑わしいといったケースで「自賠責が治療費を認めたら、こちらも損害として認定します」のような形として、治療費について病院宛に直接振り込むよう処理するようなことは全くないとは言いませんが、東浦個人的には、権利義務関係がややこしくなるのでこの手はあまり使いません。​病院の理解が必要ですし、そもそも、そんな怪しげな治療に至る前に相手や病院としっかり事前に打ち合わせをするべきです。

というわけで今回は自賠責保険請求書を作成してみました。
被害者請求(実務的にはもっぱら16条請求、と言うことが多いです)、書類が嫌がらせのような量になりますが、慣れれば確実な回収手段として便利です。加害者側の賠償に対する姿勢が疑わしい場合など、積極的に使用していきましょう。

東浦でした。


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