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次は司法書士とるぞ! おかげさまで行政書士試験は突破できました2020!交通安全アドバイザーのhigashiです。

逐条勉強会:憲法-第二十三条

東浦です。

​先日、「最近の学生は名刺の出し方も知らない」なんて日本電産の社長さんの話がネットで批判を浴びているなんて話がありました。いやー、実にバカバカしいというかね。個人的にはこの社長さんが正しいと思いますよ。これ、名刺云々ではなくて、そういう準備をできていないと社会人としてはちょっとイタいよね、ってことぐらい知った上で社会に出てこようねって話であって、別に名刺の出し方がお辞儀の仕方であったりとか、挨拶の発声であったりとかでもなんでもいいわけで。最低限オトナとして必要な初期装備は整えてきましょうやってこと。仮にも大学出ているんだったらなおのこと。大学で四年間も何してたの?って話だわね。ただどうも文脈的には、この社長さんの怒りの矛先が「大学」っていうシステムに向きがちみたいだけど、それはちょっと大学がかわいそうだわ。こんな程度の話、「大学生」が主体的にやる話であってね。例えば「経営学1 お辞儀の仕方」とかがカリキュラムにあっても困るよね。テストは実技かな? 

まあ「大学生」を主体として考えても「そんなレベルの大学生をほいほい卒業させてるんじゃねえ」という趣旨であれば、お説ごもっとも、とは思うわ。大学もある程度商売だから仕方ないんだとは思うけどさ。何にしても、最低限のマナーぐらいは「必要だよね」ってことに気づいて、自分で調べるなり何なり、なんでもいいからある程度は用意してから社会に出てこいっていう大前提の部分の話。「大学」主体であれば、「せめてその程度の事には気づけるぐらいの能力を得られるような教育してよね」かな。どっちにしても、もうちょっとちゃんとしなさいねって事ですかね。なんで批判されてるの? わからん。謎です。


まあそんなわけで今日は憲法23条、学問の自由ですね。

 

〔学問の自由〕

​第二十三条 学問の自由は、これを保障する。​


短い中にギューッと凝縮されたような条文なんだけれど、この中には四つの意味があるとされていますね。

 

1. 学問研究の自由

2. 研究結果発表の自由

3. 教授の自由

4. 大学の自治


​​細かい部分はテキスト本等に譲るとして、試験的にはまず1について、法律で規制している研究もあるので、(まあ、当たり前ですが)絶対の自由ではありません。ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律、等ですね。罰則つき。​​

3.の教授の自由は旭川学テ事件が有名でしょうか。実力で阻止に及ぶ教師ってなんだよ、って事件ですが当然有罪になったやつですね。大学等における教育の自由のような、完全なものは教師には認められないとする判決で、これはまあ当然というか、こんなの小学生や中学生の教育の中で認めちゃったら日本語の話せない中学生とか君が代知らない高校生とか普通に出現しそう。国の危機です。

4.の大学自治はポポロ事件始め、こちらも判例をしっかり押さえておくべきです。周辺知識的には、ポポロ事件における裁判では、地裁が学生を無罪としていることにも注目。この件については高裁も一審を支持。時代背景的なものも多分にあるんでしょうが、”警察手帳を奪って””謝罪文書かせて””暴行を加える”ことが「大学の自治を守る正統な行為」って、さすがにそれはどうだろうなあ。めっちゃ自力救済してる感じだけど、そのへんの整合性どうなってたんでしょうね。部分社会の法理でなんでもありだったら、その組織の中から外へ向かっての暴力を肯定するの? そこらへんに転がってる判旨からはちょっとそこまでは読み取れなかったんで、詳しい人いたら教えてください。当然に検察は上告し、結果、差し戻しからの有罪判決となりました。

よくテキストでは
​「本件集会は、真に学問的な研究と発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動であり、かつ公開の集会またはこれに準じるものであつて、大学の学問の自由と自治は、これを享有しないといわなければならない。したがって、本件の集会に警察官が立ち入ったことは、大学の学問の自由と自治を犯すものではない」​
の部分だけが強調されますが、せっかく勉強するんだったら、どんなストーリーだったのか、概要も見ましょう。そのほうが絶対に楽しいし、結果的に頭に入るからね。

というわけで東浦でした。

 
 

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